2014年3月28日金曜日

NST勉強会(多職種連携地域合同研修会)を開催しました

 神﨑恒一教授
 桜の蕾も膨らんできた平成26324日(月)、救急センター講堂において、1830分から広域でのNST講演会として、杏林大学医学部付属病院もの忘れセンター長(兼任)で、杏林大学医学部 高齢医学 高齢診療科 教授 神﨑恒一先生を講師にお招きし、『高齢者の栄養管理』をテーマに講演会を開催しました。  この講演会は、平成25年度地域医療再生推進事業補助金の交付を受け、多職種連携地域合同研修会として実施し、志太榛原地区の医療・介護従事者の約70名が参加しました。
 講演の導入部では、高齢者の加齢に伴う心身の機能・栄養状態の低下、要介護に至る原因、高齢による虚弱(frailty:フレイル)、高齢者が寝たきりに至る過程、在宅から入院する患者の退院後の行先等のお話を伺いました。これらの現状を踏まえ、私達医療従事者に求められることは病院や地域の保健福祉機関と連携した多職種チームによるアプローチであると再認識しました。
 講演の中盤では、高齢者の栄養状態と生命予後についてお話を伺いました。日本の高齢者における栄養不良の現状、デイケア利用者の低栄養頻度、日本人高齢者の11年間のフォローアップを行ったBMIと生命予後についての情報は、とても興味深く拝見しました。
 高齢者の栄養障害に伴う病態は実に広範に渡り、体重減少や低栄養の病因が明らかになればなるほど、在宅(居宅)の栄養管理の必要性は大きくなります。サルコぺニアにかかわる要因として、筋肉量の低下や筋力の低下、身体機能の低下が上げられますが、日本人高齢者のサルコぺニアの頻度を見た限りでは、高齢に伴いその頻度は増大しています。それらをどのような方法で改善したら良いのかは、私達医療に関わるものが先ずは各々の専門分野において積極的にアプローチしていくことが必要です。そして多職種の連携に繋げていくことは、次の重要な段階になると思われます。
 私は管理栄養士として何ができるかを考えたとき、地域での栄養管理ネットワークを機能していくことが課題だと思いました。また栄養状態不良に陥った人を健康な状態に持っていくことは、特に高齢者では非常に困難です。ならば虚弱になる前の高齢者が健康を維持していくことに目を向け、地域の高齢者に対する健康講座等へ積極的に参加して低栄養やサルコぺニアを予防したら良いと考えました。そんなとき、ある市内自治会から早速に栄養講座の依頼があり、素晴らしいタイミングだと驚きました。

 ご多忙の時期に講師としてお越しいただいた講師の神﨑先生には、問題提起をしていただけたと深く感謝いたします。そして、年度末の慌ただしさの中で参加してくださった医療関係者の皆様、本当にありがとうございました。


研修会の様子

質疑応答


0 件のコメント:

コメントを投稿