2017年2月23日木曜日

新型インフルエンザ措置訓練に参加しました。

感染管理室

平成29年2月17日(金) 名古屋検疫所静岡空港出張所の呼びかけで新型インフルエンザを想定した実動訓練に参加しました。

富士山静岡空港に疑い患者が到着したという想定のもと、関係機関が連携して必要な措置を行うことを目的にした訓練です。

当院では、静岡空港から救急車で搬送された模擬患者を、専用の入口を使い、感染症病棟にて受入れと検体の採取、入院措置を実施しました。
採取した検体を検疫所職員に引き渡して、当院での訓練は終了しました。

搬送を担当した救急隊員や受入れた当院の職員は、感染対策の防護服を身にまとい、さながらパンデミック映画のワンシーンのようでしたが、手順や設備、備品について細かな点まで確認することができました。

新型インフルエンザ以外にもSARS、MERS、ジカ熱など世界中に感染症蔓延の危機は潜んでいます。静岡空港に近い当院も他人事ではありません。関係機関が顔の見える関係であることは、非常時の対応では重要なことと考えています。今回の訓練などを通じ、今後も顔の見える関係づくりを行ってまいります。

~参考~
当院は静岡県から第二種感染症指定医療機関の指定を受けており、第2類から第5類※の感染症患者(疑い含む)の受入れをすることになっています。感染管理医、感染管理看護師をはじめ、各部門の感染制御に関するエキスパートがチームを組み、院内感染を含め、感染症への対策を日々行っています。

※感染症の分類について
第2類は結核、鳥インフルエンザ、SARS等
第3類はコレラ、腸チフス等
第4類はデング熱、マラリア等
第5類は風しん、麻しん、MRSA等
(第1類のエボラ出血熱、ペスト等は第一種感染症指定医療機関での対応となります。)






2017年2月22日水曜日

平成28年度 1年次医師症例報告会を開催しました。

 平成29年年2月21日(火)に卒後1年次医師6名の症例報告会が開催されました。
4月から始まった臨床研修から印象深かった症例を15分の持ち時間でプレゼンテーションとディスカッションを行いました。
各自堂々とした立派な発表で、難しい症例にも指導医と2人3脚で取り組み、冷静に的確な診断をしていることがうかがえました。
上級医や指導医からはお褒めや激励のコメントをいただき、さらに研修への意欲を高めるきっかけとなる報告会になりました。











2017年2月21日火曜日

第16回市民ふれあい講座を開催しました。

外来の診察待ちをされている患者さんを対象に、市民病院スタッフが医療関連情報を提供する「市民ふれあい講座」の第16回が開催されました。

今回のテーマは、「救急外来の現状と市民にできる救急救命処置」。講師は当院の救急外来看護師長で認定看護管理者の大石看護副部長が務めました。

講座は、講話と実技の2部構成で行われました。初めに当院の救急外来の現状について、最近の患者動向、当直医師や看護師の勤務状況などデータや実例を交えながらの説明がありました。この中で、不慮の事故・急激な症状悪化はいつでも市民病院救急外来で対応しますと伝えるとともに、不要不急な救急受診(コンビニ受診)は抑制して欲しい旨をお願いしました。

また、救急搬送についての説明では、川根地区でグランドゴルフ中に心肺停止状態で倒れた方が、その場にいた人の救急救命処置により救われた実例をあげ、覚えれば誰でも救急救命処置はできる、1人でも多くの命を救うため是非、救命処置を覚えて欲しいと呼びかけました。

実技では、救命訓練用の人形とAED自動体外式除細動器を使った救命処置の実演が行われました。演者は、未経験者の代表として事務部職員が担当しました。

実際にまったくの救命処置初心者である事務部職員でしたが、救急外来職員のサポートもあり、戸惑いながらも何とか実施することができました。

実技を終えた事務部職員は「心臓マッサージを継続することが思いのほか大変でした」と感想を漏らしました。講師によれば、心臓マッサージの継続は、ベテランの看護師でもとても疲れるものなのだそうです。確実な救命措置を行うため、「なるべく初めに大勢の助けを呼んで欲しい」と訴えていました。

講座の最後には、AED(自動体外式除細動器の使い方について、会場の方から質問があり、盛況のうちに終了となりました。

「市民ふれあい講座」は、毎月2回、火曜日に開催します。
次回は、3月14日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。

今後のスケジュールはこちらをご覧ください。








2017年2月16日木曜日

ユマニチュード(認知症ケア技法)DVD上映会(全10回)を開催しました。

 2016年11月から2017年2月までの期間で全10回、当院職員及び市内介護連携施設、診療所の関係者を対象にユマニチュード(認知症ケア技法)DVD上映会を開催しました。

「ユマニチュード」は、体育学を専攻する二人のフランス人によって作り上げられた、35年の歴史を持つ知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいた認知症ケア技法です。

この取り組みは、今後、益々進んでいく超高齢社会に対応するため、認知症ケアに対する理解を院内職員のみならず、地域へ広げ共有していこうというものです。

2月まで開催した上映会には、院外施設から138人の参加がありました。参加者の内訳は、以下のとおりです。
介護関連施設 89人
特別養護老人ホーム 5人
行政機関・包括支援センター 10人
訪問看護ステーション 4人
シルバー人材センター 25人
その他 5人

ご参加いただき、ありがとうございました。当院では、こうした取り組みを通して、今後も地域医療に貢献してまいります。

総合診療科(物忘れ外来) 鈴木大輔医長の挨拶

上映会の様子

2017年2月14日火曜日

第15回市民ふれあい講座を開催しました。

外来の診察待ちをされている患者さんを対象に、市民病院スタッフが医療関連情報を提供する「市民ふれあい講座」の第15回が開催されました。

今回のテーマは、「がん治療~抗がん剤に焦点をあてて~」。講師は当院のがん化学療法看護認定看護師の大石主任、サブとして、同じくがん化学療法看護認定看護師の和田主任が務めました。

1981年以降日本人の死因第1位である「がん」は、今や国民の2人に1人が罹患するといわれており、そのうち4人に1人は、20代~50代の働き盛りであるとのことです。

そのような状況の中、家族や知り合いなどの身近な方など、がんに罹り治療を続けていると言った話は、よく耳にされるかと思います。

がん治療の1つに抗がん剤治療があります。抗がん剤と聞くと以前は入院して点滴、副作用が辛いといったイメージがありましたが、治療方法が確立され、副作用である吐き気止めの進歩などから、通院での治療もできるようになってきているようです。

講座では、患者さんやご家族の方から寄せられた、がんにまつわる様々な質問とその答えを紹介する「Q&A」形式の講義が行われました。(下にスライド写真を掲載しています。)

当院は、今回講師を務めたがん化学療法看護認定看護師をはじめ、緩和ケア認定看護師、医師、薬剤師、心理士、栄養士、ソーシャルワーカーが総力を結集して、がん治療をサポートしています。がんになるととても不安になりますが、一人で悩まず、当院の医療スタッフに相談してください。

「市民ふれあい講座」は、毎月2回、火曜日に開催します。
次回は、2月21日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。

今後のスケジュールはこちらをご覧ください。











2017年2月9日木曜日

脳梗塞t-PA適正使用講習会が開催されました。

脳梗塞t-PA適正使用講習会について


平成29年2月3日(金) に当院救急センター2階の講堂において、
日本脳卒中学会公認『脳梗塞t-PA適正使用講習会』が開催されました。

この講習会は、日本脳卒中学会がt-PA(アルテプラーゼ)を使用する可能性がある医師を対象に日本全国各地で年数回行なっている講習会で、t-PAを適切且つ安全に使用するために必要な基本的知識の啓蒙を目的としています。

2016年9月、日本脳卒中学会は、ここ数年間に発表された急性期脳梗塞に関する新たな知見を受けて、『t-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針 第二版』を部分改訂しています。その改訂項目の一つとして、t-PA投与の施設基準が緩和されており、CTと緊急採血が出来る施設であれば、医師の専門や脳外科・神経内科医が居る施設かどうかは問わず、t-PAの経静脈投与を行えるように変更されています。これは発症からt-PA投与開始までの時間が予後に相関することが示されたためで、t-PA投与が15分早くなると死亡率・t-PA投与による頭蓋内出血はそれぞれ4%低下し、独歩退院・自宅退院出来る方も共に4%上昇すると言われています。今や、t-PAの経静脈投与は医師としてのプライマリーケアのひとつとなりつつあると言っても過言ではないと思われます。今回の講習会は日本脳卒中学会と1年近く交渉することで得られた数少ない機会でした。
講習会では以下の2講演が行われました。

講演1 「アルテプラーゼ静注療法適正使用のために」
静岡済生会総合病院 神経内科 吉井 仁先生


軽症であってもt-PAの効果が期待できる症例もあり十分に配慮して使用すれば有効性が高い薬剤であることを強調された。

講演2 「アルテプラーゼ静注療法の実際」
中東遠総合医療センター 脳神経外科 市橋 鋭一先生


近年有効性が認められている血管内治療による機械的血栓破砕もt-PA使用という基本治療の上に成立する手段であり、ドリップ‐シップという概念が強調された。

当日は、院内職員、外部からお越しくださった方も含め、全体で63名の先生方(コメディカル含む)が参加し、t-PAの適正使用についての知識を深めました。

2017年2月6日月曜日

島田市地域医療を支援する会の「会員研修会」が開催されました。

2月4日(土)島田市横井公会堂(りばりん)で島田市地域医療を支援する会の「会員研修会」が開催されました。

島田市地域医療を支援する会は平成21年の設立以来、地域医療の維持、発展のため、市民を対象とした医療学習会やシンポジウム、地域への出前講座等の活動を通じて、市民一人ひとりに地域医療への理解を促すための啓発活動を進めています。

冒頭、神代醇一代表からの挨拶があり、次に会の各部から今年度事業の報告と来年度事業の方向性についての報告が行われました。

そしてその後の研修会では、以下の3講演が行われました。

第一部:「データから見た地域医療の現状」、「島田市地域医療基本条例(案)について」
講師 島田市地域医療を支援する会顧問 床原敬氏

第二部:「島田市における在宅医療の現状と課題」
講師 島田市医師会長 藤本嘉彦氏

第三部:「島田市民病院の現状と今後」
講師 当院の服部隆一病院事業管理者

第一部の「データから見た地域医療の現状」は、毎年恒例になっている最新の地域医療データを分析し解説するもので、会の活動を支える貴重なデータ源です。島田市地域医療を支援する会顧問の床原敬氏による説明は、淀みがなく明快で面白味があります。第一部では、「島田市地域医療基本条例(案)」策定経緯についての説明もあり、本年2月の議会定例会に条例(案)として提出予定であるとの報告がありました。

第二部では、講師の藤本医師会長が、かつてボランティアとして従事したパラオ共和国の美しい写真をスクリーンに映しながら、当地の医療・介護事情について紹介しました。パラオでは、在宅で家族を看取ることが当たり前のこととして人々の意識の中に根付いており、日本でいうところの「医療と介護の問題」は起こり得ないと言います。これこそが理想形であるとの思いから、藤本会長は講演で使用するスライドの1枚目には必ずこのパラオの写真を使うと決めているのだそうです。

実は島田市は近隣と比較して、在宅での看取りの割合が高く、家族が老後の面倒を見るという気概を持った方が大勢いる土地柄だそうです。その需要に応えるための在宅医療がますます重要となっていますが、現状は従事する医師の絶対数が足りておらず、一部の志を持った医師に過大な負担が掛かっている現状が報告されました。今年度島田市が立ち上げた24時間訪問看護ステーションをうまく活用し、医師の負担を軽減するとともに、訪問診療や往診の質的向上を目指していきたいとのお話がありました。

第三部は、当院の服部隆一病院事業管理者から今年度と来年度の医師の動向について、説明がありました。その後、新病院建設について、新病院の外観、病棟、病室のイメージを紹介し、計画通り順調に進んでいるとの説明がありました。

会員自ら学び、医療知識を高めていきたいとの思いからこの会員研修会は行われています。地域医療を支えてくださる尊い活動に心から敬意を表し、今後も手を携えていきたいと考えています。
島田市地域医療支援する会 神代醇一代表
島田市地域医療を支援する会 会員の皆さん
島田市地域医療支援する会顧問 床原敬氏
島田市医師会長 藤本嘉彦氏
服部隆一 病院事業管理者