2017年2月6日月曜日

島田市地域医療を支援する会の「会員研修会」が開催されました。

2月4日(土)島田市横井公会堂(りばりん)で島田市地域医療を支援する会の「会員研修会」が開催されました。

島田市地域医療を支援する会は平成21年の設立以来、地域医療の維持、発展のため、市民を対象とした医療学習会やシンポジウム、地域への出前講座等の活動を通じて、市民一人ひとりに地域医療への理解を促すための啓発活動を進めています。

冒頭、神代醇一代表からの挨拶があり、次に会の各部から今年度事業の報告と来年度事業の方向性についての報告が行われました。

そしてその後の研修会では、以下の3講演が行われました。

第一部:「データから見た地域医療の現状」、「島田市地域医療基本条例(案)について」
講師 島田市地域医療を支援する会顧問 床原敬氏

第二部:「島田市における在宅医療の現状と課題」
講師 島田市医師会長 藤本嘉彦氏

第三部:「島田市民病院の現状と今後」
講師 当院の服部隆一病院事業管理者

第一部の「データから見た地域医療の現状」は、毎年恒例になっている最新の地域医療データを分析し解説するもので、会の活動を支える貴重なデータ源です。島田市地域医療を支援する会顧問の床原敬氏による説明は、淀みがなく明快で面白味があります。第一部では、「島田市地域医療基本条例(案)」策定経緯についての説明もあり、本年2月の議会定例会に条例(案)として提出予定であるとの報告がありました。

第二部では、講師の藤本医師会長が、かつてボランティアとして従事したパラオ共和国の美しい写真をスクリーンに映しながら、当地の医療・介護事情について紹介しました。パラオでは、在宅で家族を看取ることが当たり前のこととして人々の意識の中に根付いており、日本でいうところの「医療と介護の問題」は起こり得ないと言います。これこそが理想形であるとの思いから、藤本会長は講演で使用するスライドの1枚目には必ずこのパラオの写真を使うと決めているのだそうです。

実は島田市は近隣と比較して、在宅での看取りの割合が高く、家族が老後の面倒を見るという気概を持った方が大勢いる土地柄だそうです。その需要に応えるための在宅医療がますます重要となっていますが、現状は従事する医師の絶対数が足りておらず、一部の志を持った医師に過大な負担が掛かっている現状が報告されました。今年度島田市が立ち上げた24時間訪問看護ステーションをうまく活用し、医師の負担を軽減するとともに、訪問診療や往診の質的向上を目指していきたいとのお話がありました。

第三部は、当院の服部隆一病院事業管理者から今年度と来年度の医師の動向について、説明がありました。その後、新病院建設について、新病院の外観、病棟、病室のイメージを紹介し、計画通り順調に進んでいるとの説明がありました。

会員自ら学び、医療知識を高めていきたいとの思いからこの会員研修会は行われています。地域医療を支えてくださる尊い活動に心から敬意を表し、今後も手を携えていきたいと考えています。
島田市地域医療支援する会 神代醇一代表
島田市地域医療を支援する会 会員の皆さん
島田市地域医療支援する会顧問 床原敬氏
島田市医師会長 藤本嘉彦氏
服部隆一 病院事業管理者

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