2017年2月9日木曜日

脳梗塞t-PA適正使用講習会が開催されました。

脳梗塞t-PA適正使用講習会について


平成29年2月3日(金) に当院救急センター2階の講堂において、
日本脳卒中学会公認『脳梗塞t-PA適正使用講習会』が開催されました。

この講習会は、日本脳卒中学会がt-PA(アルテプラーゼ)を使用する可能性がある医師を対象に日本全国各地で年数回行なっている講習会で、t-PAを適切且つ安全に使用するために必要な基本的知識の啓蒙を目的としています。

2016年9月、日本脳卒中学会は、ここ数年間に発表された急性期脳梗塞に関する新たな知見を受けて、『t-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針 第二版』を部分改訂しています。その改訂項目の一つとして、t-PA投与の施設基準が緩和されており、CTと緊急採血が出来る施設であれば、医師の専門や脳外科・神経内科医が居る施設かどうかは問わず、t-PAの経静脈投与を行えるように変更されています。これは発症からt-PA投与開始までの時間が予後に相関することが示されたためで、t-PA投与が15分早くなると死亡率・t-PA投与による頭蓋内出血はそれぞれ4%低下し、独歩退院・自宅退院出来る方も共に4%上昇すると言われています。今や、t-PAの経静脈投与は医師としてのプライマリーケアのひとつとなりつつあると言っても過言ではないと思われます。今回の講習会は日本脳卒中学会と1年近く交渉することで得られた数少ない機会でした。
講習会では以下の2講演が行われました。

講演1 「アルテプラーゼ静注療法適正使用のために」
静岡済生会総合病院 神経内科 吉井 仁先生


軽症であってもt-PAの効果が期待できる症例もあり十分に配慮して使用すれば有効性が高い薬剤であることを強調された。

講演2 「アルテプラーゼ静注療法の実際」
中東遠総合医療センター 脳神経外科 市橋 鋭一先生


近年有効性が認められている血管内治療による機械的血栓破砕もt-PA使用という基本治療の上に成立する手段であり、ドリップ‐シップという概念が強調された。

当日は、院内職員、外部からお越しくださった方も含め、全体で63名の先生方(コメディカル含む)が参加し、t-PAの適正使用についての知識を深めました。

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