2016年12月20日火曜日

第12回市民ふれあい講座を開催しました。

外来の診察待ちをされている患者さんを対象に、市民病院スタッフが医療関連情報を提供する「市民ふれあい講座」の第12回が開催されました。

今回のテーマは、「単なる口内炎と思っていませんか?-口腔粘膜病変を早期発見する方法-」。講師は当院の細胞検査士の大石臨床検査技師長が務めました。

臨床検査技師と聞いて、ピンと来る方は、少ないかもしれません。集団検診や人間ドックなどで超音波診断装置エコーを使って検査してくれる技師を思い浮かべる方もいるかと思います。臨床検査技師とは、こうした患者さんから検査情報を得るための専門的な技術と知識を持つ職能集団の総称です。
細胞検査士は、臨床検査技師の1つで、人間の約60兆個の細胞の中から「がん細胞」をいち早く見つけ出し、退治するために顕微鏡で「がん細胞」を探している番人を言い、日本では、約6,000人が学会認定の細胞検査士免許を持っています。

今回の講座は、口腔癌の話です。口腔癌は、全癌の約1%を占めているそうで、決して多い割合ではありませんが、年々罹患数が増えており、1975年と2015年の比較では、4倍弱の上昇率となっています。そして、今後、益々上昇していく可能性があるとのことです。

次に、口腔粘膜病変における診断について解説がありました。診断は、問診、視診、触診、擦過細胞診と進めていきます。その中の擦過細胞診ついて、詳細な説明がありました。擦過細胞診は、病変が肉眼で確認でき、その部分を容易に採取可能、更に患者さんに大きな痛みを与えることが少ない検査で高い精度があるとの理由から、口腔癌などの病変の早期発見にとても有用な検査であるとのことです。

10年後には今の1.5倍(12,000人以上)が罹患すると予想されている口腔がん。講演の最後に、当院歯科口腔外科主任部長の田中四郎医師からの「歯科医院から紹介により、当院で擦過細胞診検査を行うことで、口腔癌を早期に発見することができます。早期発見で治療を開始できれば、予後やQOL(クオリティ オブ ライフ)が改善できます。」とのコメントが紹介されました。

「市民ふれあい講座」は、毎月2回~3回、火曜日に開催します。
次回は、1月17日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。









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