2017年3月21日火曜日

第18回市民ふれあい講座を開催しました。

外来の診察待ちをされている患者さんを対象に、市民病院スタッフが医療関連情報を提供する「市民ふれあい講座」の第18回が開催されました。

今回のテーマは、「医者や看護師へ『痛み』をうまく伝える方法~つらい痛みをわかってもらうために~」。講師は当院のがん性疼痛看護認定看護師の羽下さんが務めました。

今回の講師が取得している『がん性疼痛看護認定看護師』とは、どのような資格なのでしょうか?。講師曰く、自分の役割とは「痛みを抱える(がん)患者さんのお話をよく聞いて、患者さんの痛みやつらさを少しでも理解できるように努力すること。(がん)患者さんとそのご家族が、身体の痛みも心の痛みも、少しでも軽くなり自分らしく過ごせるように、スタッフとともにお手伝いすること」であり、一言でいえば、「身体と心の痛みの看護師」なのだそうです。

それでは、具体的に痛みにはどのような種類があるのでしょうか?。痛みを分類すると、以下の4つのカテゴリに分けられるようです。
1.「身体的苦痛」
頭やお腹、腰など身体の部位に現れる痛みや、吐き気や下痢などの消化器症状や、咳や息苦しさが続く呼吸器症状など、痛みやつらい症状があることで生活する中で必要な動作ができなくなる苦痛。
2.「社会的苦痛」
仕事上の問題、経済上の問題、家庭内の問題、人間関係の問題など患者さんをとりまく環境に問題を抱えている時の痛み。
3.「精神的苦痛」
不安や苛立ち、孤独感や恐れ怒りなどの苦痛。
4.「スピリチュアルペイン」
病気になったことで、人生の意味への問いや、苦しみの意味を考えてしまったり、死への恐怖を感じたり、神様の存在を追求して考えたりすることで、霊的苦痛とも言われているもの。
これら4つの痛みは、それぞれが影響しあって、痛みが強くなったり弱くなったりすることがあるようです。
また、痛みは身体の痛みだけではなく、心の痛みや置かれている環境なども大きく関わっており、これらすべての痛みを『全人的苦痛、トータルペイン』と呼んでいるのだそうです。なかなか心の痛みを他人に伝えることは難しいですが、「私たち医療者がお手伝いできることもありますので、まずはお話ししてみてください。」と講師は訴えかけました。

最後に、まとめとして「痛みとは?」、「痛みが続くとどうなるの?」、「自分の痛みを相手に伝えるには?」、「医療者へ痛みを伝えるコツ」の解説(下図のスライド参照)があり、盛況のうちに終了となりました。

今年度(平成28年度)の「市民ふれあい講座」は、今回が最後になります。
新年度(平成29年度)の開催スケジュールは、準備が整ったところでご案内しますので、楽しみにお待ちください。










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