今回のテーマは、「医療用麻薬と痛みについて」。講師は当院のがん性疼痛看護認定看護師の萩尾さんが務めました。
1981年以来、日本人の死亡原因の第1位であり続けている「がん」。
現在では、がん医療の発展により、がんと共存して生活している人が増えてきています。
そして、がんには痛みがつきものです。日本人はその痛みを我慢してしまう傾向があり、医師や看護師に対して痛みがあることをなかなか言い出せない患者さんが多くいらっしゃるようです。しかし痛みは痛みを呼び、不安な気持ちや恐怖を招き、それらは日々の生活を脅かすようになります。
痛みを和らげ取り除くことができれば、がんと向き合う気力が失われることなく日々の生活を送ることができます。その痛みを治療するための薬が「医療用麻薬」と呼ばれるものです。
講演では「麻薬」という言葉に含まれるネガティブな印象をていねいに取り除き、世界保健機構(WHO)が作成したがんの痛みに対する治療方法によって、90%近くの痛みが取れるようになったことなどが紹介されました。
そして、生命を脅かす病気に直面している患者さんとそのご家族ひとりひとりの心と身体のつらさを和らげ、支えていく「緩和ケア」についての説明があり、その過程において医療用麻薬を用いた痛みの治療が行われていることが紹介されました。
非常に中身の濃い講演でしたが、萩尾看護師のていねいな語り口とわかりやすい説明に大きくうなずきながら聞き入る患者さんも多く、会場は静かな熱気に包まれていました。
「市民ふれあい講座」は、原則として毎月2回、第2・第3火曜日に開催します。
次回は、8月18日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。
今後のスケジュールはこちらをご覧ください。
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