今回のテーマは、「緩和ケアと医療用麻薬について」。講師は当院の緩和ケア認定看護師の織田主任看護師が務めました。
年間30万人を超える方々がお亡くなりになられている「がん」ですが、平成19年4月に「がん対策基本法」が施行され、治療の初期段階からの緩和ケアの実施が可能になり、がん患者及び家族の苦痛軽減及び療養生活の質の向上が図れるようになりました。
早い時期から緩和ケアを受け、痛みを和らげ取り除くことができれば、生活の質(QOL)が向上し、寿命も長くなるとの研究があるそうです。その痛みを治療するための薬が「医療用麻薬」と呼ばれるものです。
講演ではまず「医療用麻薬」という言葉から連想される負のイメージ「身体に良くない」「がん患者の最後の手段」「だんだん効かなくなる」「中毒になる」「廃人になる」「命が縮む」などは、全て誤解であることが説明されました。
「医療用麻薬」は痛みがある人に対して使う場合には、決して怖い薬ではなく、痛みを伝える化学物質と結合して、痛みを伝えないようにしてくれる有効なものであるとのことです。また痛みは人によって感じ方が違うため、患者さんご本人が我慢することなく、痛みの具合や程度などを医療従事者に正しく伝えることで、より適切な緩和ケアを受けることが可能となるようです。
織田看護師の丁寧な語り口と、わかりやすい説明に熱心に聞き入る患者さんも多く、最後の質疑応答では、講師が思わず「鋭いですねー」と感心するほどの質問も飛び出すなど、熱気あふれる講座となりました。
「市民ふれあい講座」は、原則として毎月2回、第2・第3火曜日に開催します。
次回は、8月16日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。
今後のスケジュールはこちらをご覧ください。
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